首の痛みだけじゃない むち打ちを理解する その1
むち打ちはなぜ起こるのか
交通事故のケガで最も多いとされるむち打ちは、追突などの衝撃によって、首が前後あるいは左右に激しく揺さぶられることで起こります。
人間の頭部は、重さにして約6kg前後あるといわれていますので、その頭部を支えている細い首が受ける衝撃は想像以上に大きいものです。
衝撃によって首の周りの筋肉や神経組織が損傷し、神経の圧迫などが原因でさまざまな症状を引き起こします。首には、脳と身体をつなぐ重要な神経が多く集中しているため、全身に大きく影響するのです。
むち打ちの症状
交通事故が原因のむち打ちは、事故直後は何ともないと思っていても、事故から数日あるいは数週間経って急に痛みなどの症状が現れるという特徴があります。
首や肩の痛みだけではなく、首筋、背中、肩のこりや、手足のしびれ、耳鳴り、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などの不快な症状を引き起こすこともあります。
骨折などの目に見えるケガとは違って見た目には分からないため、無理をして症状を悪化させてしまうことも少なくありません。また、むち打ちは周囲の理解をなかなか得られないこともあり、不快な症状だけではなく精神的な面での負担も大きくなってしまいます。
「我慢していればそのうち治るかも」と痛みを放置していると、症状が固定されて慢性化してしまう恐れがあるうえ、治療も長期化してしまいます。
むち打ち症を治すために
むち打ちは、事故の強い衝撃によって起こる身体のゆがみが主な原因です。
痛みのある首周辺だけではなく、緊張した筋肉を手でしっかりほぐし、神経の圧迫を取りのぞきます。
全身の骨格を整えていくことは、さまざまな症状を改善させることにつながります。
むち打ちは自然に回復することが非常に困難です。
早期の適切な治療を受けることによって、個人差はありますが3ヶ月ほどで改善がみられるといわれています。
少しでも痛みや異変を感じたら、早めに受診し、適切な治療を開始させることが改善への近道になります。